ある日、パソコン部の中学生・ミナが、顧問の田中先生に質問しました。
ミナ:「先生、電話って昔からずっとあるけど、最近のIP電話と何が違うの?」
田中先生:「いい質問だね。昔からある電話網は PSTN(Public Switched Telephone Network)、つまり『公衆交換電話網』と呼ばれていて、世界中をつないでいた大きなネットワークだったんだよ。」
ミナ:「交換電話って何?」
田中先生:「昔の電話は、電線で人と人を“物理的に”つなげて会話できる仕組みだったんだ。最初は電話交換手が手作業でつなげていて、やがて自動化されたけど、基本は『この人とこの人を直接つなぐ』って考え方だね。」
ミナ:「ふーん…。じゃあLINE電話は違うの?」
田中先生:「LINEやSkype、VoIP電話はIPネットワークを使っていて、インターネット経由で音声をデータにして届けるんだ。PSTNと違って、音声はバラバラのパケットになって飛んでいくよ。」
ミナ:「それって便利だけど、PSTNはもういらないの?」
田中先生:「まだまだ使われているよ。特に緊急通報(110番など)や停電時の信頼性ではPSTNが強い。最近はIP網へ移行する動きもあるけど、完全になくなるには時間がかかるだろうね。」
ミナ:「ふーん……。PBXっていうのとは違うの?」
田中先生:「いいところに気づいたね!PBX(Private Branch Exchange)は、会社の中にある内線電話の交換機のことなんだ。」
ミナ:「内線?じゃあ、学校の職員室から教室に電話するやつ?」
田中先生:「まさにそれ!PBXは学校や会社の中だけで電話をつなぐ役割も持っていて、外の世界(PSTN)とつなぐときもある。つまり、PBXは中の電話の司令塔、PSTNは外とつながる道路って感じだね。」
ミナ:「なるほど。PBXの電話でも、外にかけるときはPSTNを通ってるってこと?」
田中先生:「その通り!最近ではPBXもクラウド型やIP-PBXになってきてるけど、PSTNと接続する部分はまだ必要なことも多いんだよ。」
まとめると下記のようになるよ。
| 項目 | PSTN(公衆交換電話網) | PBX(構内交換機) |
|---|---|---|
| 範囲 | 全国・世界規模の電話ネットワーク | 会社・学校など建物内の電話ネットワーク |
| 役割 | 公衆回線で外線を接続 | 内線の管理と外線との接続 |
| 通信方式 | 回線交換方式 | 回線交換 or IP通信(クラウドPBXなど) |
| 現在の利用 | 緊急通報や信頼性が必要な場所で活用中 | 企業や学校などの内部通話・代表番号で活用 |
| 用語 | 特徴 |
|---|---|
| PSTN | 回線交換方式、安定性重視、昔ながらの電話網 |
| VoIP(IP電話) | パケット交換方式、インターネット利用、柔軟で安価 |
2024年、日本の通信事業者NTT東日本・西日本は、既存のPSTNサービスをIP電話網へ段階的に移行する方針を発表しました。これは設備の老朽化やコスト削減、柔軟なサービス展開のためです。
一方で、病院や官公庁、災害対策本部などの現場では、停電時でも通話が可能なPSTNが今も重要な役割を果たしています。特に緊急通報(110番・119番)への信頼性から、IP網への移行があっても、通話の最終部分(メディアゲートウェイ)でPSTNと接続する設計が求められています。
このように、IP技術が進化しても、PSTNの「確実につながる」強みは依然として価値があると評価されています。
PSTNの正式名称はどれでしょうか?
A. Personal Secure Telephone Network
B. Public Switched Telephone Network
C. Private Smart Telephone Network
PSTNとVoIPの主な違いは何ですか?
A. PSTNはパケット通信、VoIPは回線交換方式
B. PSTNは固定回線を使い、VoIPはインターネット経由で通信する
C. PSTNは映像通話専用
現在のPSTNの主な利用用途として正しいのは?
A. YouTubeの動画配信
B. スマートウォッチの通信
C. 緊急通報やFAX通信
クイズ1:B
→ 正しくは「Public Switched Telephone Network(公衆交換電話網)」です。
クイズ2:B
→ PSTNは物理回線を通して音声を伝えますが、VoIPはインターネット経由で音声データをやりとりします。
クイズ3:C
→ PSTNは今でも災害時やFAXなどで利用されています。