OODAサイクルとPDCAサイクルの違いとは?メリットデメリットは?

思考法

新しい事業を立ち上げる際などに活用できる考え方として、OODA(ウーダ)というフレームワークが注目されてきています。

OODAサイクル(OODAループ)は意思決定と行動に関する理論で、速く回転させることで様々な取り組みをスピーディーに取り組むことが出来ます。類似したPDCAサイクルの違いと合わせてご紹介させていただきます。

 

1.OODAとは何の略?読み方

OODAは下記のように4つの単語を組み合わせた造語になります。

O Observe 観察する
O Orient 方向づける、適応する
D Decide 判断する、決定する
A Action 行動・実行する

OODA理論の由来

1970年代のアメリカ軍のジョン・ボイド大佐により提唱された理論です。
空軍の戦闘機パイロットとして朝鮮戦争にも参戦し、性能で劣っていた米軍側が朝鮮戦争の空中戦で勝利できたのは「操縦士の意思決定の速さ」と「OODAのループ」にあると考えました。

 

フェーズごとに説明していきます。

Observe(観察)  ・・・VUCAの時代だからこそ観察が大事!

最初にまず、相手や状況を観察します。特に最近はVUCA(ブーカ)の時代と言われますが先行きが不透明で将来の予測が難しい時代だからこそ観察することが重要です。イノベーションの種に気づけるかどうか、消費者のマインドの変化を捉えられるかどうかは「Observe=観察」にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
VUCAとは 先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語
同じ状況でも人によって読み取れる情報量は違います。観察のコツに関しては私の好きな漫画に登場する海洋冒険家が語ってくれています。

集英社 荒木飛呂彦 『ジョジョの奇妙な冒険38巻』

Orient(方向・適応)・・・方向性を間違えるとゴールにたどり着けない

観察することによって得られたデータから、行動の方向性を決めます。
努力や投資の方向性が間違えるといくらやっても効果が上がらないことがあります。observeの段階で得られる情報の質や量を上げるだけでなく、その情報を正しく理解して活用してこそ正しい方向性が見つけられるので重要なフェーズになります。

「この教科書からしかテストに出ない」という情報をもとに、1ページ目から一言一句覚えようとするのが間違った方向性の例です。

Decide(意思決定) 情報を集め、方向性を決めた後の意思決定

状況判断をして方向性が決まった中で、計画を具体的な行動にうつすための方法や手段を意思決定するフェーズです。
状況によっては「情報不足」という判断となり、最初のObserveに戻ることもあります。

Act(実行) 実行フェーズ

意思決定で採択された方針に基づいて実際の行動にうつるフェーズです。
ここで終わりではなくて実行した結果がどうなったかをすぐに観察(Observe)することが重要です。行動を起こしたことにより変化が起きたのならばそのあとどうするか、変化が無かったのならばそのあとどうするか、などOODAを何度も続けて引く必要があり、この循環をOODAループと呼びます。

2.PDCAとの違い

PDCAサイクルはPlan(計画)ー Do(実行)ー Check(確認)ーACT(改善)を繰り返して品質管理などの業務を継続的に改善する方法です。

簡単に言うと下記のようになります。

OODA = 意思決定が目的
環境の変化や顧客ニーズへ対応したい時に活用。相手の観察から始まる
PDCA = 品質改善が目的
結果やプロセスを重視するため中長期的な目線で活用。自分の計画から始まる

 

計画も観察から始まるのでは?と思うかもしれませんが観察が計画の一部分でしかないことを考えるとスピード感の違いが感じられますね。

 

 

3.OODAを活用するメリット・デメリット

前述のとおり、OODAはスピードをもって観察・方向性・意思決定・実行を繰り返す思考で主なメリットは下記になります。

①状況に即応し、迅速に行動を修正できる(臨機応変な対応)
  行動する人に情報も集まります。そのためOODAループを繰り返し迅速に行動することで競争相手に対して優位性を築くこともできます。
②施策のスピードアップ(現場への権限移譲)
  現場の意思決定を優先させることは現場への権限移譲となります。現場の権限移譲により社員のやる気を引き出したり全体の能力が向上するという付加的なメリットも期待できます。
➂生産性の向上

 

一方デメリットは

❶計画に時間をかけないので失敗する確率が高くなる

スピードを重視するために思い付きの行動になってしまう場合があります。方向性さえ正しいほうに1歩でも進めばよいのですが、異なる方向に進むと成果に結びつきません。観察と方向性を決めることはしっかりと行いましょう。

 

❷組織全体の統制が取りにくくなる

個人または少人数でループを回すため様々な方向に進みがちです。防ぐためには理念やビジョンの共有を行い会社全体の方向性を示しておきましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。

環境変化に対応するには現場の情報収集能力(営業能力)と権限移譲(現場での判断)が大事になります。しっかりと情報収集・分析・決断をできるようにしていきたいですね。
読んでいただきありがとうございました。

 



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