【中学生でもわかるIT用語】MVCとは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

『M』から始まる用語

MVC

① 物語性を取り入れた説明

ケンイチは新しいプロジェクトで「MVC」という設計パターンを使うことになりましたが、仕組みがよくわからず、課長に質問しました。

「課長、MVCってどういう仕組みなんですか?」

課長はにっこりと答えました。「MVCというのは、アプリケーションをModel(モデル)View(ビュー)Controller(コントローラー)に分けて構築する設計パターンだよ。たとえば、レストランで料理を注文するとき、お客さんがメニューを見て料理を注文するのがView、ウェイターがその注文をキッチンに伝えるのがController、そしてシェフが料理を作るのがModelにあたるんだ。」

「なるほど、役割が分かれているから、どの部分が何を担当しているか分かりやすくなるんですね!」

「そうだね。モデル層は扱う領域のデータと処理、多くのアプリケーションではデータベースの機能もこの層になる。ビュー層はモデル層のデータを取り出し見やすいように表示をするんだ。コントローラー層はユーザーの入力を処理する要素だね。」

「なるほど!分かりやすいです。」

たとえば、画面のデザインを変更したいときはViewを変更するだけでいいし、データベースを扱う部分を修正したいときはModelだけを修正すればいい。これによって、アプリの保守や拡張が非常にやりやすくなるんだ。」

「逆に、デメリットはどんなことがあるんですか?」とケンイチはさらに聞きました。

課長は少し考えてから答えました。「MVCにはいくつかのデメリットもあるよ。まず、コードがそれぞれの役割に分かれているから、処理速度が少し遅くなる場合があるんだ。たとえば、オブジェクト間でやり取りが発生するために、その分時間がかかるんだ。特に、システム全体が複雑になった場合は、スピードが低下することもある。」

「それはちょっと困りますね。」

「もう一つは、コードをしっかり分割する作業が必要だという点だね。MVCを使うと、最初にしっかりとコードを分けておかないと、かえって分かりにくくなってしまう場合があるんだ。そのため、設計段階での分割作業に手間がかかることもデメリットの一つだよ。」

「なるほど、役割が明確な反面、最初にしっかり分割しないと後で大変なことになるんですね。」

「そうなんだ。だから、大規模なプロジェクトや複雑なアプリケーションでは効果的だけど、場合によっては他の方法も検討することが大切だよ。」

MVCの定義

MVC(Model-View-Controller)は、アプリケーションを3つの役割に分けて設計するパターンです。Modelはデータ処理、Viewは画面表示、Controllerはユーザー操作とデータ処理の仲介を担います。

② 実際の事例

プロジェクトの種類 View(画面表示) Controller(制御) Model(データ処理)
オンラインショッピング ユーザーが商品を検索したり、カートに追加したり、購入手続きを行う画面を表示。 ユーザーが商品の検索ボタンや購入ボタンを押した際、その操作を処理し、必要なデータをModelに依頼。 商品データベースから商品の詳細や価格情報を取得し、ユーザーに返す。
予約システム ユーザーが予約可能な日時を確認し、希望日時を選んで予約手続きを行う画面を表示。 ユーザーが予約日時を選択すると、その情報をModelに伝え、予約可能かを確認。 データベースから予約可能な日時を取得し、予約の登録や変更、キャンセル処理を行う。
自治体のオンライン手続き 住民が申請手続きの情報を入力し、確認できる画面を表示。 住民が入力した申請情報をModelに伝え、処理を依頼。 申請データを保存し、データベースに記録。申請の進捗や履歴も管理。
顧客管理システム 顧客の情報を確認・編集する画面を表示し、登録内容や購買履歴を表示。 顧客情報の編集や登録操作を受け取り、Modelにデータの更新を依頼。 顧客データベースにアクセスし、情報の取得・更新・削除を行う。
リモートワークシステム 社員がログインして、業務内容を確認・報告するための画面を表示。 ログインや作業報告などの操作をModelに伝え、業務データを処理する。 業務データや社員のログイン情報を管理し、作業の進捗や結果をデータベースに保存。

 

③ クイズや小テスト

クイズ1 MVCの設計パターンで、ユーザーが操作する部分はどれですか?

A. Model
B. View
C. Controller

クイズ2 MVCの利点はどれですか?

A. コードの役割が明確になり、保守・拡張がしやすくなる
B. コードが単純化しすぎてしまう
C. 全体が一つのファイルで完結するため、わかりやすい

クイズ3 MVCのデメリットとして正しいのはどれですか?

A. 処理速度が遅くなる場合がある
B. デザインの変更が難しくなる
C. すべてのアプリに適している


回答

  1. 正解:B

Viewはユーザーが直接操作する画面やUI(ユーザーインターフェース)を提供する部分です。たとえば、ユーザーがボタンをクリックしたり、フォームに入力したりする部分です。

一方で、Controllerはユーザーの操作を受け取って、その操作に基づいて処理を実行する部分です。つまり、Controllerは、入力されたデータを処理する役割を担っていますが、ユーザーが操作するのはあくまでViewです。

  1. 正解:A
  2. 正解:A

 

応用情報技術者試験 平成30年秋 午前問47

応用情報技術者平成30年秋期問47 ソフトウェアアーキテクチャパターン

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