【マーケティング】イノベーションの事例を調べてみた 旅行業 観光業

企業経営理論

こんにちは、けんです。

 

前回のイノベーションの記事が長くなってしまったので

観光業のイノベーションの事例を別の記事としてアップしました。

 

前回の記事を読んでいただいてだくと、より理解しやすくなると思います。

 

前回の記事はこちら↓

【マーケティング】ラディカル・イノベーションとは? 破壊的イノベーションとの違いは? どのような事例があるの??
今回は新商品開発などには欠かせない、イノベーションの考え方とイノベーションに関する事例をいくつか参考になると思いあげてみました。 私が過去に印象に残ったイノベーションを中心に描いたので30代~50代くらいの男性が共感してくれる気がします。

 

観光業でのイノベーションの例

インターネットの影響を大きく受けた旅行・観光業ですが、その中でも個人的に印象的なものをいくつか分析しながらご紹介します。

HIS 団体航空券のバラ売り

Web サイトが見つかりません

今では格安航空券など当たり前かもしれませんが、

もともとは旅行会社が航空会社から大量に仕入れた、

ホテルや観光とセットに売ることを目的のIT(Inclusive Tour)運賃をバラバラで売り始めたことがきっかけでした。

当然業界からの圧力はあったそうですが、市場に求められていたことからHISはシェアを伸ばし、

格安航空券自体も各社が追随するようになりました。

 

業界の慣習・常識を壊したローエンド型破壊的イノベーションでした。

騙されてもいいから格安航空券を買ってみようという奇特な人からの口コミで広まったと、澤田会長もインタビューで答えています。

H.I.S.澤田会長に聞く、電話1本で起業した苦労と工夫 |法人のお客さま|NTT東日本
NTT東日本が運営するビジネス情報サイト「Biz Drive」

初期は格安でマーケットを広げ、ミドルとハイエンドにも拡大していく戦略が見事にハマった例だと思います。

 

 

HIS 変なホテル

HISは面白い取り組みを多く行っていますが、変なホテルもそのうちの一つでしょう

キャッチコピーは

変わり続けることを約束するホテル

ホームページによると変なホテルの「変」は変わり続けることの意思表示らしいです。

変なホテル公式予約サイト|世界初のロボットホテル
最先端のロボットが働く「変なホテル」グループ公式予約サイト。世界初のロボットが働くホテルとしてギネス認定。恐竜ロボットやホログラムによる非対面チェックインで安心。変わり続けることを約束するホテルが今までにはない新しい宿泊体験・快適なホテルライフをお届けします。

 

2018年の旅館業法の改正により、「緊急時に駆け付けることが出来る体制を整える」など

諸条件を満たせば無人ホテルが認められることになりました。

 

とはいえ、「変なホテル」は人員削減のためだけでなく、ロボットによるエンタメ性を打ち出したホテルです。

 

受付時の無人化や非接触を追求したホテルは以前から日本にはラブホテルという形で存在していました。そう考えると変なホテルは破壊的イノベーションやラディカルイノベーションというわけではなく、インクリメンタルイノベーションというにふさわしいホテルなのかもしれませんね。

「変わり続ける」というコンセプト自体がインクリメンタルというにふさわしいと思います。

 

 

ホテルの窓口(現 楽天トラベル)

日本初のOTA(オンライントラベルエージェント)と位置付けられるのがホテルの窓口です。

 

サービスのスタート1996年1月。

国内86ホテルが予約可能なサイトとしてオープンしました。

 

ここだけ聞くと「ふーん」で終わってしまうかもしれませんが、

 

1996年1月 旅の窓口

1996年4月 Yahoo!ジャパン サービス開始

1997年9月 Google検索登場

 

この並びを見ると、、凄くないですか?

96年なんてポケベルで12文字から16文字になってすごい!などと喜んでいた時代だったと思います。

そんな時代にすでにネットの宿泊予約は始まっていたのです。

 

そして2003年に楽天が買収し、楽天トラベルとなりました。

86のホテルでスタートした登録施設数は今や国内だけで33,000軒を超えるそうです。

ダイナミックパッケージ

昔からパッケージツアー(移動と宿泊がパッケージになった商品)は販売されていましたが、

2000年代になると、それらの移動や宿泊を自由に組み合わせるプランであるダイナミックパッケージが販売されるようになりました。

契約形態は通常のパンフレットの旅行と同じ、募集型企画旅行になります。

 

パッケージなのに自由に選べるの?と不思議に感じるかもしれませんが、もともとパッケージ商品としての素材を組み替えただけなので、大丈夫なのです。

そして料金が時価でありリアルタイムで変動することが特徴的です。

この時価でリアルタイムに変動するというのは旅行業界では古くから一般的でしたが、

最近はJリーグの席でも導入されるようになりました。人気の対戦カードなどによって料金が変わるようです。

 

また、海外ではスーパーの食材の料金も電子タグを利用して料金が変動するところも出てきたようです。食品ロスを減らす良い取り組みですね。

日本のスーパーではシールを貼る係の人が、コスト意識の高い人たちからのプレッシャーを受けていてキツそうだったので早く導入してほしいと思います(笑)

 

ダイナミックパッケージは航空会社や旅行会社など多くの会社がを売り出すようになってきています。

https://www.jtb.co.jp/kokunai/dynamic_air/

 

クラブメッド

旅行代金に交通や宿泊だけでなく、滞在中の飲み物やアクティビティの体験代金などがほぼ含まれたオールインクルーシブプランを始めた会社です。

1950年に設立され、日本では地中海クラブと呼ばれていましたが、2006年からクラブメッドに社名が変更されました。

メリットは何といってもお金を気にせずに遊べること。

旅行中にアクティビティを子供におねだりされ、料金は高いし断ると機嫌を損ねられて面倒だし、とか感じる葛藤と無縁になります。

 

ビジネスの面でいうと、旅行中に追加手配が多い取引先を招待するときなどに、現地経費の支出を抑えられていいかもしれませんね。

海外では人気の旅行スタイルなのですが、日本では意外と導入されている場所が少ないです。

意外と、、というのは日本人の旅行者は飲み放題が大好きで、団体旅行の場合は飲み放題にするのが基本になっています。あらかじめ経費を確定させたいという意向だと思います。

 

海外の食事施設は飲み放題に対応してくれるところはあまり多くありません。

日本人にオールインクルーシブの存在がもっと知られれば、団体客を中心に利用者が増えていき、対応可能な施設も増えるかもしれませんね。

 

アソビュー

2011年設立のリクルート出身の社長が作った遊び・体験の予約サイトです。

2015年にJTBが6億円出資し業務提携、2020年12月には13億円の資金調達をしたというニュースがありましたが、

リクルートにも「じゃらん」という同業のサービスがあるのでバッティングするタイプの独立になりますね。

これまでの多くの遊び・体験のビジネスモデルだった、旅行会社と契約をして、送客してもらうというシステムを抜本的に変えたラディカルイノベーションです。

多くの観光業者はインターネットには慣れておらず、長らくFAXや電話、メールで対応していました。

システム投資など考えられる会社はほとんど無かったところに、初期費用無料で簡単に在庫設定ができて、手数料は売上の15%という形にしたので急速に利用者が拡大していきました。

 

コト消費というワードが頻繁に出るよりも前にシェアを握った点や、今後のDXや地方創生の流れに乗ってさらに拡大していくと予想されます。

以前は旅行に行く方面を決めてからそこで出来ることを調べるというパターンが主流だと思いますが、これだけ体験のメニューが揃っていると自分や家族ががやりたいことを探してから旅行方面を決めるという『コト重視』への変化も納得です。

 



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こちらはデジタルマーケティングのCommunal activation(共同活性化)の一つですね。

詳しくは下記の記事で解説しています。

【マーケティング】マーケティング・ミックスの4Cって何?4Pとの違いは?
伝統的マーケティングの4Pと4C,マーケティング4.0のデジタルマーケティングにおける4Cの内容を『えんとつ町のプペル』など話題の事例を参考に解説しました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

旅行業は比較的イノベーションのイメージがしやすい業界だったのではないか、と思います。

調べれば色々なサービスがあるので自分が求める旅行スタイルにうまく新サービスを取り入れていきたいですね。

 

読んでいただきありがとうございました。

 

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