健康経営への関心が高まっています。
今回の記事を読むことで、
①健康経営・健康経営銘柄とは
②健康経営の業界別トップ企業は何をしているか
を確認することが出来ます。
健康経営とは
従業員が不健康になると医療費が増大するだけでなく、業務遂行能力が低下して売上の直接的低下を招くこともあります。メンタルの不調で会社に来れなくなるというケースが分かりやすいですが、心がけや相談体制を組むことで防ぐことが出来れば、会社の経営の安定や企業のイメージアップも期待できます。
国による健康経営の推進には大きく分けて下記の3つがあります。
今回は健康経営への取り組みが最も進んでいる健康経営銘柄の企業はどのような取り組みを実施しているのか、ということを紹介してみようと思います。
健康経営銘柄を目指す会社はもちろん、ホワイト500を目指す会社の人でも参考になると思います。
ただし、、禁煙推奨や健康診断100%受診推奨などは健康経営銘柄の対象企業になると当たり前にやっているので他の企業と比べて珍しい取り組みをしていることに対してコメントをさせて頂きました。
- 健康経営銘柄とは・・・
- ●水産・農林業 2社
- ●鉱業 株式会社INPEX 3回目
- ●建設業 高砂熱学工業株式会社 初選定
- ●食料品 アサヒグループホールディングス株式会社 5回目
- ●繊維製品 株式会社ゴールドウイン 初選定
- ●パルプ・紙 大王製紙株式会社 2回目
- ●化学 4社
- ●医薬品 協和キリン株式会社 初選定
- ●石油・石炭製品 出光興産株式会社 初選定
- ●ゴム製品 住友ゴム工業株式会社 2回目
- ●ガラス・土石製品 日本特殊陶業株式会社 初選定
- ●鉄鋼 JFEホールディングス株式会社 2回目
- ●非鉄金属 古河機械金属株式会社 初選定
- ●金属製品 2社
- ●機械 アネスト岩田株式会社 初選定
- ●電気機器 7社
- ●輸送用機器 豊田合成株式会社 初選定
- ●精密機器 株式会社島津製作所 2回目
- ●その他製品 ヤマハ株式会社 初選定
- ●電気・ガス業 北海道電力株式会社 初選定
- ●陸運業 東海旅客鉄道株式会社 初選定
- ●海運業 (株)商船三井 2回目
- ●空運業 日本航空(株) 4回目
- ●情報・通信業 4社
- ●卸売業 2社
- ●小売業 (株)丸井グループ 5回目
- ●銀行業 (株)愛知銀行 初選定
- ●証券、商品先物取引業 (株)大和証券グループ本社 8回目
- ●保険業 2社
- ●その他金融業
- ●サービス業 3社
- まとめ
健康経営銘柄とは・・・
毎年8月~10月ごろに行われる健康経営度調査をもとに、
などの観点から評価されます。
2019年からは複数社も選ばれるようになりましたが基本的には1業種から1社しか選定されない制度なので業種で最も健康経営に取り組んでいるという名誉のある指標になっています。
まず自社の状態を調べたいとき
もしあなたが健康経営の推進担当者で自社の状態や対応策を具体的に確認したいのであれば、
健康経営に関する企業の様々な課題を総合的にコンサルティングして、解決策も提案してくれるNTTビジネスアソシエさんのサービスおススメです。
NTTビジネスアソシエ「ヘルスケアソリューション」
それでは確認していきましょう!
●水産・農林業 2社
日本水産株式会社 4回目
冷凍食品の「ニッスイ」の会社です。
EPA/ AA比の測定と健康番付、ヘルシー弁当などの取組をしています。
生活習慣病予防のための指標、EPA/AA比というニッスイが強く発信する指標をニッスイの社員がまず模範になるべく健康診断の指標に取り入れたらしいです。
部署ごとに集計して番付表を発表するのも部署ごとの競争心や関心を持たせるのに良い取り組みですね。
ニッスイ本社ではヘルシー弁当(栄養バランス・量・塩分が考慮された食事として「スマートミール認証」を受けたお弁当)を導入して食生活や塩分摂取量の改善にも取り組んでいます。
マルハニチロ株式会社 初選定
東京の江東区に本社を置く大手食品会社です。
新入社員全員に対し臨床心理士が個別面談。「DHAチャレンジ」などを実施しています。
青魚缶詰や特定保健用食品であるDHA入りリフィッシュソーセージを従業員が食し、
中性脂肪値や総コレステロール値の変化を検証する試み。
●鉱業 株式会社INPEX 3回目
国内外で石油・天然ガス等の権益を持つ大手石油開発企業です。
始業前にラジオ体操を実施、夏季連続休暇取得キャンペーン、アンガーマネジメント研修などをしています。
●建設業 高砂熱学工業株式会社 初選定
空調設備業界で首位の売上を誇る企業です。
活躍する社員の姿にスポットを当てた社内向けポスターをシリーズで作成しています。
●食料品 アサヒグループホールディングス株式会社 5回目
アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などアサヒグループの持ち株会社です。
アルコールに関するeラーニング96.7%受講など。喫煙率も高いイメージがありましたが、屋内喫煙所を廃止するなどの効果で着々と減少傾向にあるようです。
●繊維製品 株式会社ゴールドウイン 初選定
スポーツウェア、スポーツ用品の製造販売の会社です。
経営トップが全社員に対し、「仕事と遊びに境界を引かない暮らしを営む」という力強いメッセージを発信し、社員のスポーツ参加を多面的にサポートしています。
●パルプ・紙 大王製紙株式会社 2回目
三和グループに属する日本の大手製紙メーカーです。
独身寮では、「野菜を食べようプロジェクト」と称し、サラダを無料で提供。その他、タンパク質である納豆・生卵・豆腐や、野菜の総菜を50円で販売。
●化学 4社
積水化学工業株式会社 2回目
大阪に本社を置く大手樹脂加工メーカーです。
住宅、管工機材、住宅建材や建材用の化成品、高機能プラスチックなどを中心に製造する大手樹脂加工メーカーで大阪に本社を置いています。
7つの健康習慣応援プログラム 7冠王アプリ。ウォーキングイベントなどに取り組んでいます。
花王株式会社 8回目
東京に本社を置く大手消費財化学メーカーです。
7つの健康習慣応援プログラム 7冠王アプリ。ウォーキングイベントなどを実施しています。
第一工業製薬株式会社 2回目
産業・工業用の薬剤、添加剤、助剤などを製造販売している化学品メーカーです。
マラソンイベントの開催。食堂健康メニュー。毎朝のラジオ体操などを実施しています。
富士フイルムホールディングス株式会社 2回目
写真関係から化粧品なども扱っている精密化学メーカーです。
グループの全役員・関係会社社長が自らの健康宣言を公開
●医薬品 協和キリン株式会社 初選定
医療用医薬品事業等を行う、キリンホールディングスの子会社の製薬企業です。
Wellnes Action 2025を掲げワクワク感をもった行動変容を促しています。
●石油・石炭製品 出光興産株式会社 初選定
「人と人がつながるエネルギー」のキャッチコピーでおなじみのエネルギー会社です。
毎月22日をスワンスワンデー 就業時間内禁煙としています。
●ゴム製品 住友ゴム工業株式会社 2回目
神戸に本社を置く、タイヤ・スポーツ用品などの会社です。
PCのon/offを可視化 ラインケアセミナーでパワハラ防止セミナー
●ガラス・土石製品 日本特殊陶業株式会社 初選定
名古屋市に本社を置く、プラグやセラミックの製造メーカーです。
気分を色で表現し部署の活性度を可視化・コミュニケーションへと繋げる独自のサービス「Good Morning Color」を開発
●鉄鋼 JFEホールディングス株式会社 2回目
「JFEスチール」「JFEエンジニアリング」「JFE商事」を完全子会社として傘下に置く、持株会社です。
睡眠リスク対策として「リモートワークと睡眠」に関するe-Learning企画、
Power-napの活用促進をしています。
https://www.jfe-eng.co.jp/information/pdf/health_declaration2021.pdf
●非鉄金属 古河機械金属株式会社 初選定
非鉄金属製品および産業機械等を扱う企業です。
エンゲージメント・サーベイを実施して従業員の意識を調査するとともに、アブセンティーイズムおよびプレゼンティーイズムの推移を部署別に分析することにより、職場内で起きている課題やリスクを明らかにし、各種研修や職場内コミュニケーションの向上に繋がる各種施策の企画・運営に役立てています。
●金属製品 2社
株式会社SUMCO 初選定
三菱・住友系の大手半導体用シリコンウェーハメーカーです。
健康経営の基本方針は「全員参加」
日東精工株式会社 2回目
工業用ファスナーの製造・販売をする会社です。
7つの生活習慣にチャレンジ Nicotto7(ニコットセブン)、全社運動会、80m巻きずし作り、よさこいなど特徴的な取組みを多く実施しています。
●機械 アネスト岩田株式会社 初選定
空気圧縮機(コンプレッサ)、真空機器、塗装機器・設備並びに液圧機器・設備を製造・販売している会社です。
本社敷地内にある多目的運動場や社内ジムを開放。三大疾病サポート保険の本社負担をしています。
●電気機器 7社
コニカミノルタ株式会社 7回目
日本の大手電機メーカーの一つです。
自宅で手軽にできるフィットネス動画や参加型オンラインウォーキングセミナーを開催しています。
株式会社明電舎 2回目
日本の電機メーカーで、自動車開発用試験装置で国内シェア1位の企業です。
「スマートチャレンジ明電5」と銘打ち取り組みを展開しています。
オムロン株式会社 4回目
京都に本社を置くヘルスケア製品を強みとした電気メーカーです。
重点テーマをBoost5として選定。オムロン健康白書の作成などが目立った取り組みです。
日本電気株式会社 初選定
NECの略称で有名な住友グループの電機メーカーです。
NEC健診結果予測シミュレーションで将来の健康状態を可視化しています。
セイコーエプソン株式会社 初選定
長野県諏訪市に本社を置く、精密機器を強みとした電機メーカーです。
社長自筆の自画像のポスターでウォーキング大会を呼びかけ。4824人が参加。
株式会社アドバンテスト 初選定
半導体デバイスの測定器などの大手メーカーです。
コミュニケーション研修、男性育児休暇取得促進
キヤノン株式会社 4回目
映像機器・事務機を強みとした電機メーカーです。
創業期から行動指針の中に「健康第一主義」「三自の精神(自発・自治・自覚)」を掲げています。
●輸送用機器 豊田合成株式会社 初選定
大手輸送機器・電気機器メーカー。トヨタグループの主要企業では唯一「とよだ」読みです。
70周年記念として2020年に体育館を新設。全社駅伝大会など実施。資産形成のセミナーを実施したりセカンドライフに向けた配偶者同席のセミナーなどいろいろな取り組みをしています。
●精密機器 株式会社島津製作所 2回目
京都市に本社を置く、精密機器、計測器、医療機器、航空機器を製造する企業です。
毎週水曜日をヘルスケアデーに設定。
テニス教室の開催や受動喫煙防止川柳などを実施しています。
●その他製品 ヤマハ株式会社 初選定
浜松市に本社を置く、楽器や半導体、音響機器、スポーツ用品、自動車部品、ネットワーク機器の製造発売する会社です。
社外EAP(Employee Assistance Program)の活用で精神疾患病欠者の復職率の向上を狙っています。
よく間違えられやすいオートバイで有名なヤマハ発動機はこの会社の二輪部門が独立したものです。
●電気・ガス業 北海道電力株式会社 初選定
北海道や首都圏で電力小売り事業や発電事業を行う電力会社です。
毎年10月の1カ月間を全社『秋の健康づくり運動』としています。
●陸運業 東海旅客鉄道株式会社 初選定
JR東海のことです。
みんなで歩活、JR東海フィジカルチャレンジ、職場対抗玉入れなどをしています。
●海運業 (株)商船三井 2回目
略称MOLでも有名な日本郵船・川崎汽船と並ぶ日本の三大海運会社の1つです。
マッサージ室を1か月に1時間までは勤務時間としています。
●空運業 日本航空(株) 4回目
JALのことです。
地域健康プロジェクト。地域ごとにプロジェクト名。本気の!ラジオ体操
沖縄地区では「身体をちんだみ!健康おきなわプロジェクト」
「ちんだみ」は沖縄の言葉で「調弦(調律)」を意味するそうです。
●情報・通信業 4社
Zホールディングス(株) 4回目
ソフトバンクグループ傘下の持ち株会社で、傘下にYahoo!やLINEがあります。
仮眠スペース。体組成計を貸与。睡眠計測アプリを活用、睡眠セミナーなど実施しています。
理想のウォーキング歩幅「自分の身長×45%」 が体感できる「歩幅チェックスペース」が主要拠点にあるそうです!
(株)DTS 初選定
金融・通信向けのシステムインテグレーターです。
ストレスチェックの実施と集団分析をしています。
(株)KSK 4回目
大阪市に本社を置く、医薬品・医療機器等の卸売及び販売を行う企業です。
全社禁煙宣言。2015年に喫煙者0を達成。エンジェルアシスト(健診結果の有所見者100%フォロー活動)などをしています。
SCSK(株) 8回目
住友商事系のシステムインテグレーター
健康わくわくマイレージ。スマートワーク・チャレンジ。浮いた残業代を社員に全額還元しているそうです。
●卸売業 2社
(株)TOKAIホールディングス 2回目
エネルギー、総合リフォーム、情報通信サービスなどの静岡の会社です。
ウォーキングイベントに1300人以上参加
豊田通商(株) 2回目
トヨタグループの総合商社です。
8つの健康習慣の改善に取り組む活動『健康チャレンジ8』や『私の健康宣言』をおこなっています。
●小売業 (株)丸井グループ 5回目
ファッションビルの丸井やクレジットカードのエポスカードを傘下に持つ持ち株会社です。
健康経営→ウェルネス経営→ウェルビーイング経営と変化。「手挙げの文化」推進
●銀行業 (株)愛知銀行 初選定
名古屋市に本拠を構える地方銀行です。
自販機に飲料に含まれる糖質量を見える化。健康経営に取り組む中小企業へ優遇貸出金利などを実施しています。
健康経営に取り組む中小企業を応援しているのは好感を持てますね!
●証券、商品先物取引業 (株)大和証券グループ本社 8回目
野村證券に次ぐ業界2位の証券グループです。
腹八分目プログラム、オンラインケアでいつでも医務室にアクセス、などの取組をしています。
●保険業 2社
SOMPOホールディングス(株) 4回目
東京海上HD、MS&ADインシュアランスグループHDと並ぶいわゆる3メガ損保の一角です。
社内レシピコンテスト。血糖値改善、時短、ニーズの3部門。全社員ウェアラブル端末貸与などの取組をしています。
ウェアラブル端末はfitbit社製のものを利用しています。
東京海上ホールディングス(株) 7回目
Discovery Time年3回職場の全メンバーで議論し理想のチームや働き方を発見する。
https://www.tokiomarinehd.com/release_topics/release/l6guv3000000drk1-att/20220310_health_productivity_stock_j.pdf
●その他金融業
リコーリース(株) 6回目
リコー系のリース会社です。
私の健康宣言 各自で健康維持・増進のために目標を設定
東急不動産ホールディングス(株) 3回目
全員にKENPOSアプリを配布。禁煙や健康診断受診、歩数に応じ、ポイントを付与。本社にフィットネスエリア。
●サービス業 3社
(株)ベネフィット・ワン 3回目
パソナグループ傘下の企業や官公庁の福利厚生の運営代行をしている企業です。
各事業部にホワイト推進室を設置。従業員に年6回の健康教育をするなどの取組をしています。
(株)バリューHR 2回目
健保の保健事業や企業の健康に関連するサービスをネットで提供している企業です。
4~6月の早期健康受診者にインセンティブ 健康増進関連セミナーの実施。各月で社内報で呼びかけ。
(株)アドバンテッジリスクマネジメント 初選定
従業員のメンタルヘルスケアのアウトソーシングや産業医紹介の会社です。
アプリ「カロミル」で食事面から従業員をサポート、ARM未来☆元気プロジェクト 有志で施策を考え経営陣へダイレクトに施策を提言などをしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
健康経営銘柄に選ばれる企業は様々な取り組みをしているのが確認できました。
自社の業務に結び付けている企業も多いですし、従業員のコミュニケーション強化にも活用している企業も多いようです。
長文を読んでいただきありがとうございました。
振り返って確認できるようにブックマークもよろしくお願いします。
コメント
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