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【中学生でもわかるIT用語】バースト帯域とは 物語と実際の事例でわかりやすく解説

バースト帯域

①ストーリーで理解する「バースト帯域」

放課後、IT研究部の部室。
主人公の中学2年生 リク は、最近インターネットの仕組みにハマっている。先輩の ミサキ はネットワークに詳しく、今日もリクの質問に答えてくれる。


リク「先輩、インターネットの速度って“最大1Gbps!”とか広告で見るけど、実際そんなに出ないこと多いですよね?」

ミサキ「いい質問ね。実は“常に1Gbps出る”わけじゃないの。そこに関係するのが バースト帯域 って仕組みなんだよ。」

リク「バースト帯域?なんだか格闘技の技みたいですね!」

ミサキ「ははっ、確かに技っぽい名前だね。簡単にいうと“短い時間だけ一時的に使える追加の通信速度”のことなの。」


ミサキはホワイトボードに図を描く。

・普段は 500Mbps が上限の契約。
・でも一時的に大きなファイルを送るとき、数秒だけ 800Mbps まで速度を上げられる。
・これが バースト帯域 の考え方。

リク「なるほど!つまり普段は制限されてるけど、ちょっとだけ力を解放できるんだ!」

ミサキ「その通り。例えば動画を一気に再生するときや、アプリをダウンロードするときに、最初の読み込みを早くするために役立つんだよ。」

リク「でも、ずっとバースト帯域を使い続けたらどうなるんですか?」

ミサキ「それはできないようになってるの。あくまで“短期間だけ”使える仕組み。ずっと使ったら他の人の通信に迷惑をかけちゃうからね。」

リク「なるほど〜!普段は控えめだけど、必要なときだけ全力疾走できる…まるで短距離走のスプリンターみたいですね!」


用語の定義

バースト帯域(Burst Bandwidth) とは、ネットワークや回線サービスにおいて、契約された通常の最大帯域(通信速度)を超えて、短時間だけ利用可能な追加の通信帯域のこと。トラフィックが一時的に集中した際に、通信速度の体感を改善する目的で提供される。

類似用語との比較

用語 意味 バースト帯域との違い
帯域幅(Bandwidth) 通信に使える最大の通路の広さ 常時使える上限で、バーストは一時的な追加枠
ベストエフォート 契約上の最大速度は保証せず、状況次第で変動 バースト帯域は一時的な増加を前提にしている
スループット 実際に出ている通信速度 バースト帯域を使えば一時的にスループットが上がる

②利用事例とニュース

企業での利用

企業のクラウドサービスでは、アクセスが急に集中する瞬間がある。例えば ECサイトのセール開始直後自治体の申請受付開始日。こうしたとき、常に大容量の回線を契約するとコストが高くなる。そこで「通常は必要最低限の帯域、でも瞬間的にバースト帯域で増強」という仕組みが有効だ。

ソフトバンク も法人向けネットワークサービス「SmartVPN」にて、Ondemand Ether(オンデマンド・イーサ) を提供している。このサービスには「スピードタイプ」「バリュータイプ」と呼ばれる バースト型アクセス があり、通常は契約帯域を保証しつつ、状況に応じて一時的に追加の速度を利用できる。クラウド上から柔軟に帯域タイプを切り替えられる点も特徴で、効率的なコスト運用と快適性の両立が可能だ。


➂クイズで確認!

クイズ1

バースト帯域とはどんな仕組み?
A. 常に契約速度以上を保証する仕組み
B. 短時間だけ追加で速度を使える仕組み
C. 通信量を圧縮する仕組み

クイズ2

企業がバースト帯域を使う主な理由は?
A. 回線コストを抑えつつ、必要時に対応するため
B. 常に最高速度を維持するため
C. 通信のセキュリティを強化するため

クイズ3

バースト帯域と似ているが、常に上限が変動する契約の形は?
A. スループット
B. ベストエフォート
C. 帯域幅


正答と解説

  • クイズ1 → B:バースト帯域は短期間だけの速度追加。

  • クイズ2 → A:コスト削減しつつ、瞬間的な通信集中に対応するため。

  • クイズ3 → B:ベストエフォートは状況次第で速度が変わる仕組み。

けん

IT系の中小企業診断士 様々な資格試験に挑戦しながら仕事を楽しんでいます。 AIを駆使して息子の勉強用に中学生にもわかるようなIT用語説明の記事を始めました。 応用情報技術者/総合旅行業務取扱管理者/インターネット旅行情報士1級/ビジネス法務2級/ビジネス会計2級/販売士2級/ITパスポート/プロモーショナルマーケター/健康経営アドバイザー/G検定