放課後、IT研究部の部室。
主人公の中学2年生 リク は、最近インターネットの仕組みにハマっている。先輩の ミサキ はネットワークに詳しく、今日もリクの質問に答えてくれる。
リク「先輩、インターネットの速度って“最大1Gbps!”とか広告で見るけど、実際そんなに出ないこと多いですよね?」
ミサキ「いい質問ね。実は“常に1Gbps出る”わけじゃないの。そこに関係するのが バースト帯域 って仕組みなんだよ。」
リク「バースト帯域?なんだか格闘技の技みたいですね!」
ミサキ「ははっ、確かに技っぽい名前だね。簡単にいうと“短い時間だけ一時的に使える追加の通信速度”のことなの。」
ミサキはホワイトボードに図を描く。
リク「なるほど!つまり普段は制限されてるけど、ちょっとだけ力を解放できるんだ!」
ミサキ「その通り。例えば動画を一気に再生するときや、アプリをダウンロードするときに、最初の読み込みを早くするために役立つんだよ。」
リク「でも、ずっとバースト帯域を使い続けたらどうなるんですか?」
ミサキ「それはできないようになってるの。あくまで“短期間だけ”使える仕組み。ずっと使ったら他の人の通信に迷惑をかけちゃうからね。」
リク「なるほど〜!普段は控えめだけど、必要なときだけ全力疾走できる…まるで短距離走のスプリンターみたいですね!」
| 用語 | 意味 | バースト帯域との違い |
|---|---|---|
| 帯域幅(Bandwidth) | 通信に使える最大の通路の広さ | 常時使える上限で、バーストは一時的な追加枠 |
| ベストエフォート | 契約上の最大速度は保証せず、状況次第で変動 | バースト帯域は一時的な増加を前提にしている |
| スループット | 実際に出ている通信速度 | バースト帯域を使えば一時的にスループットが上がる |
企業のクラウドサービスでは、アクセスが急に集中する瞬間がある。例えば ECサイトのセール開始直後 や 自治体の申請受付開始日。こうしたとき、常に大容量の回線を契約するとコストが高くなる。そこで「通常は必要最低限の帯域、でも瞬間的にバースト帯域で増強」という仕組みが有効だ。
ソフトバンク も法人向けネットワークサービス「SmartVPN」にて、Ondemand Ether(オンデマンド・イーサ) を提供している。このサービスには「スピードタイプ」「バリュータイプ」と呼ばれる バースト型アクセス があり、通常は契約帯域を保証しつつ、状況に応じて一時的に追加の速度を利用できる。クラウド上から柔軟に帯域タイプを切り替えられる点も特徴で、効率的なコスト運用と快適性の両立が可能だ。
バースト帯域とはどんな仕組み?
A. 常に契約速度以上を保証する仕組み
B. 短時間だけ追加で速度を使える仕組み
C. 通信量を圧縮する仕組み
企業がバースト帯域を使う主な理由は?
A. 回線コストを抑えつつ、必要時に対応するため
B. 常に最高速度を維持するため
C. 通信のセキュリティを強化するため
バースト帯域と似ているが、常に上限が変動する契約の形は?
A. スループット
B. ベストエフォート
C. 帯域幅
クイズ1 → B:バースト帯域は短期間だけの速度追加。
クイズ2 → A:コスト削減しつつ、瞬間的な通信集中に対応するため。
クイズ3 → B:ベストエフォートは状況次第で速度が変わる仕組み。