中学生のユウキがある日、先生にこんな質問をしました。
「先生、スマホってどうやってインターネットにつながるんですか?山とかでも使えることがあって不思議です。」
先生はにっこり笑って答えました。
「それは基地局が働いているおかげだよ。基地局はスマホが出す電波を受け取ってインターネットや電話網に中継する役割をしているんだ。」
ユウキは首をかしげます。
「基地局ってどこにあるんですか?」
先生は黒板に図を描きながら説明しました。
「基地局は、街の鉄塔やビルの屋上、さらには電柱の近くにも設置されているんだよ。日本全国でいうと、数十万箇所あると言われているね。」
「そんなにたくさんあるんですか!」
「そう。スマホが常にインターネットに接続できるのは、どこにいても近くの基地局が電波を受け取ってくれるからなんだ。それに、ドコモやソフトバンク、auなどの通信会社ごとにそれぞれ基地局を持っているよ。」
「じゃあ、利用する人数が増えるとどうなるんですか?」
「いい質問だね。例えば花火大会のように一箇所にたくさんの人が集まると、基地局が対応できるデータ量を超えてしまうことがあるんだ。この状態を通信の輻輳(ふくそう)と言うんだよ。最近では混雑に強い基地局を作る技術が進んでいるけど、完全には避けられないこともあるんだ。」
「へえ、そんなことがあるんですね。でも、電車で移動してるときにネットが切れることもあります。」
「それは、スマホが接続する基地局が切り替わるからだね。電車や車で移動すると、今接続している基地局から次の基地局に接続先が移動する。これをハンドオーバーと言うんだよ。スムーズに切り替えられる場合もあれば、エリアが狭いと接続が一瞬途切れることもあるね。」
「基地局って本当にすごいんですね!」
「その通り。基地局がなければ、今のスマホの便利さは実現しなかったと言っても過言じゃないよ。」
基地局の役割として正しいのはどれでしょう?
A. スマホの充電を管理する設備
B. スマホの電波を受信し中継する設備
C. スマホのアプリを管理するシステム
ドコモ、ソフトバンク、auの基地局について正しい説明はどれでしょう?
A. すべての通信会社で共通の基地局を使っている
B. 通信会社ごとに独自の基地局を持っている
C. 基地局は国が一元管理している
電車で基地局の接続が切り替わる現象を何と呼ぶでしょう?
A. ハンドオーバー
B. データオーバー
C. ネットワークスイッチ
B. スマホの電波を受信し中継する設備
(解説:基地局はスマホの通信を中継する役割を持っています。)
B. 通信会社ごとに独自の基地局を持っている
(解説:通信キャリアはそれぞれ独自の基地局を設置しています。)
A. ハンドオーバー
(解説:移動中に基地局が切り替わる現象をハンドオーバーと呼びます。)